胃内視鏡でできること最近は、胃癌でも、早期胃癌ならば、内視鏡で切除できるものがあるようになりました。深さや組織型(顕微鏡で見た時の細胞の形)で決まるのですが。内視鏡の中を通る、針や電気メスやクリップがあるのです。それらを駆使して、浅い癌を、削ってくるのです。もちろん、ある程度、内視鏡の手技になれた人がするものです。最初はそういう手技をする症例が少なかったので、そういう道具も少なかったのですが、最近はたくさんの道具があるようになりました。 もし、そうして、内視鏡で切除してみて、予想よりも深かった場合にはリンパ節転移などがある可能性もあるので、手術するかどうかという話になります。ただし、その場合でも、いきなりお腹をがばーっときるのではなく、腹腔鏡というお腹の中に入れるカメラでお腹の中を見ながら手術して小さな創で手術することなどができます。 胃内視鏡では、吐血したりしている時に止血術といって出血を止める処置もできます。肝臓が悪い人にできる食道静脈瘤というものが破裂して出血すると命の危険となります。それを止める処置や、潰瘍からの出血などを止める処置もできます。昔は、潰瘍からの出血が止まらず、緊急手術ということがよくあったようですが、最近はたいてい、内視鏡的に止めることが可能となりました。 また、内視鏡的に止血できなくても、放射線科の先生がいる病院では、出血している血管を選択的に詰めることにより、止血することもできます。だから、内視鏡が簡単に届かないような部位からの出血などには、放射線科の先生が頑張ることになります。太い血管からどんどん細い血管に枝分かれしていくのに、針金をひっかけて入れてを繰り返し、出血している血管まで辿り着くのです。ちょっと神業ですよ。 他にも、胃内視鏡では食道の早期癌の治療などもしていますし、ずいぶんたくさんの手技をしています。十二指腸の乳頭部近くに入れた内視鏡から道具を入れることにより、総胆管結石の治療などもすることがあります。 |